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【高校生の就職調査 シリーズ③】<進路行事>高校で開かれるイベントに信頼感(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)

 進路情報研究センター・ライセンスアカデミーは9月、全国の高等学校進路指導部のべ5,049 校(全日制・定時制・通信制、一部サポート校含む)を対象に「新規高卒就職に関するアンケート調査」を実施した。今号では、教員の視点から見た「一人一社制」、高校新卒就職者の「早期離職問題」など、就職指導現場の実態に迫る調査の結果内容を詳報する。

高校生の就職調査 シリーズはこちらから
【高校生の就職調査 シリーズ①】<一人一社制>8割の教員が支持する理由(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)
【高校生の就職調査 シリーズ②】<就職指導> 1年生からの目標設定(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)
【高校生の就職調査 シリーズ③】<進路行事>高校で開かれるイベントに信頼感(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)
【高校生の就職調査 シリーズ④】<会社選び>1年生からはじまる企業の研究(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)
【高校生の就職調査 シリーズ⑤】<教員の声>高校が高卒採用企業に求めること(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)
【高校生の就職調査 シリーズ⑥】<職場見学>7月中旬から始まる比較検討(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)
【高校生の就職調査 シリーズ⑦】<早期離職>情報不足が与える影響(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)

会社研究の手段

「職業」「業界」「企業」研究の指導手段の調査結果を各学年で詳らかにしていこう(図3-1 〜3)。各学年で共通して見られたのは、「先生によるアドバイス」がいずれの研究手段でも高い活用率となっていることだ。進路指導教員や担任教諭は企業の人事・採用担当者からさまざまな情報を得ており、進路全般はもちろん、社会に関する知識も豊富だ。何よりも、生徒と常に接しているからこそ、個別生徒に適した的確なアドバイスを供することができる。以下、各学年次における特徴をピックアップする。

1年次

1年次で多く活用されている「指導手段」は、「校内の進路行事(講演会)」「校内の進路行事(企業説明会)」だ。特に「校内の進路行事(講演会)」は、「職業研究」の手段として59.1%、「業界研究」では60.6 % となっており、非常に有効な手段として位置づけられていることが分かった。また、「校内の進路行事(企業説明会)」は、57.9%が「企業研究」の手段として活用されている。授業時間に組み込まれていたり放課後の時間で実施されたりと、ごく身近な場所とタイミングにおける実施であり、それゆえ効率良く就職情報を得られるとあって重要視されているようだ。また、「企業研究」の指導手段として52.6%が「企業見学会」を活用しており、業界や業種を絞る前の段階から、進路に対する意識づけや職業観を育成する機会としてとらえられているようだ。

2年次

2年次の「職業研究」「業界研究」の手段では、いずれも「インターンシップ」が3割を超えており、職業体験が重要視されていることを示している。インターンシップは、夏季休暇などを利用して一日を通し、仕事に従事する。そのため、志望する職業の業務や業界について詳しく知ることができる。また、社会人としてのマナーや職業観の醸成にもつながるため、就職志望者のみにとどまることなく、進学を考えている生徒もキャリア教育の一環として経験することが多くなっている。特徴的なのは、2年次に上がると「求人票」が指導手段として多く活用されることだ。特に「企業研究」の指導手段では1年次が36.8%である一方、2年次は77.6 %と大幅に増加している。これは、卒業後の進路を視野に入れた面談が本格化することや、インターンシップの参加を通じて、志望する職業や業界を絞り具体的に企業を見ていくためだろう。

3年次

いずれのプロセスにおいても、またどの学年次でも多く活用されている「求人票」だが、3年次には84.2%が「企業研究」の手段として活用しており、求人票の情報をもとに応募先を絞っていることが推察される。
また、「企業研究」の手段として52.0%と半数以上が活用してるのが「企業見学会」だ。応募する"一社" を決める前に実施すべき取り組みだ。見学会では、職場などの雰囲気を感じ、そこで働いている社員からのナマの声を聞くことができる好機とあって導入率が高くなっているのだろう。