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【高校生の就職調査 シリーズ⑥】<職場見学>7月中旬から始まる比較検討(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)

 進路情報研究センター・ライセンスアカデミーは9月、全国の高等学校進路指導部のべ5,049 校(全日制・定時制・通信制、一部サポート校含む)を対象に「新規高卒就職に関するアンケート調査」を実施した。今号では、教員の視点から見た「一人一社制」、高校新卒就職者の「早期離職問題」など、就職指導現場の実態に迫る調査の結果内容を詳報する。

高校生の就職調査 シリーズはこちらから
【高校生の就職調査 シリーズ①】<一人一社制>8割の教員が支持する理由(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)
【高校生の就職調査 シリーズ②】<就職指導> 1年生からの目標設定(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)
【高校生の就職調査 シリーズ③】<進路行事>高校で開かれるイベントに信頼感(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)
【高校生の就職調査 シリーズ④】<会社選び>1年生からはじまる企業の研究(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)
【高校生の就職調査 シリーズ⑤】<教員の声>高校が高卒採用企業に求めること(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)
【高校生の就職調査 シリーズ⑥】<職場見学>7月中旬から始まる比較検討(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)
【高校生の就職調査 シリーズ⑦】<早期離職>情報不足が与える影響(キャリア&就職支援ジャーナル31号より)

職場見学

「応募前職場見学への参加開始時期はいつですか」の質問に最も多く寄せられた回答は「7月下旬」60.7%だった。以下、「7月中旬」17.4%、「8月上旬」11.5%、「その他」7.4%、「8月中旬」1.6 %、「8月下旬」1.5 %と続き、78.1% の高校が、7月中には参加させているという結果が出た。また、就職志望者が少ないという前提で、見学を希望する生徒がいた場合には企業と調整の上、対応をするという高校も見られた(図6-1)。

「応募前職場見学へは平均何社参加させていますか」の質問には「2~3 社」の回答が最も多く、53.7%。次いで、「1社のみ」31.3%、以下は「その他」11.5%、「0社」1.8%、「4~5社」1.8%という結果で、複数の企業を比較・検討した上で応募する一社を絞るという構えの高校が数多く見られた。

一方、見学は応募する一社に限り行い、生徒がどうしても合わないと感じているようであれば別の企業の見学機会を設けるという高校も少なくないようだ。見学会の参加は行わないとする「0社」は1.8%と少ないことから、ほとんどの就職志望生徒が応募企業を検討する上で応募前職場見学に参加しており、多くの生徒が重要視していることが分かった(図6-2)。

「一人一社制」を採用している地域の高校は、応募する企業は一社だが応募前職場見学は複数に参加することに問題はないと改めて生徒に周知しておくことで、視野を広げた企業選びへと導いていくことができるだろう。また、参加するに当たり、「生徒が会社を見学する」のと同時に、「会社側も生徒を見ている」ということを忘れずに、服装や言葉づかい、マナーなどの指導がなされているであろうことがうかがわれる。

企業側には、求人票からでは読み取れない具体的な自社の情報や業務内容を生徒に提供したり、社員との懇談会を開催したりするなど、充実した応募前職場見学の実施を期待したい。